買っちゃったReport

violetta solargear

最終更新日 2008年09月29日 (コトあるごとに更新中)

購入後・実際に使ってみての素直なレポートのシリーズ
太陽電池を使った充電器、violetta solargearです。

はじめに

なんとなく買いました。単三乾電池の使用量が減らせるかな。普通の充電器で充電すればいいんだろうけど、これだったら窓際に置いておくだけでいいんじゃない?
ところが購入後になって、単三乾電池を使う機会そのものが減ってしまってほとんど使わなくなってしまいました。
そこで新たなる使い道。携帯電話への充電です。オプションとしてUSBパワーアダプターが発売され、これを使えばUSBケーブルで充電できる機器…充電でなくても、扇風機とかクリスマスツリーとか…への電源が供給できます。そして4泊5日の山歩きに、携帯電話への充電を目的として本機を使ってみました。

まずは本体のみで…

とりあえず携帯電話への充電はおいといて、本体のみの話。
本体には単三型の電池を2本装着できます。付属のアダプターを使えば単四型を2本でも可です。マニュアルによると純正(専用)のバッテリー(過充電特性等が優れているらしい)を使うようにとの事ですが、SONYの2000mAhのものを使いました(純正は1600mAh。メーカーのサイトによると、他社製の電池でも充電できるが動作保証・補償はできないという、まぁ当然の説明があります)。
太陽電池パネルの部分は角度を自由に変えられるため、最も効率の良いように、つまり太陽光に対して垂直に簡単に調整することができます。このあたりは良いでしょう。さらにストラップを装着できるようになっているので、私の場合は携帯電話用のストラップを装着し、窓ガラス面にぶら下げるようにしました。これで放っておけば充電されます。

充電時間は純正単三電池(1600mAh)で14時間との事。ってことは1日じゃ無理って事ですね。まぁ、これは、そんなもんだと思うしかありません。まぁ、晴天で2~3日放置しておけば満充電って思っておけばいいんじゃないかと。

本体には2個のLEDがあります。ひとつが発電のインジケーター。発電している時に赤点灯します。もうひとつが充電状況のインジケーター。ある程度充電するとオレンジ点灯し、満充電で緑点灯になります。どちらのインジケーターも、その横にある確認用ボタンを押した時のみに点灯するようになってます。
どちらかというと充電状況のインジケーターのほうが重要でしょう。しかしこの「満充電」はかなり厳しく設定されているようで、昼に満充電(緑点灯)になっても、夜に再度確認するとオレンジ点灯…という事もあります。

こういった機器の性質上、普段は常時充電していて、必要な時に使用する…という使い方が便利でしょう。単三の場合はそれが可能ですが、単四の場合は過充電になるので満充電になった時点で取り外す必要があります。まぁ、これは純正品での話のようですが、他社製の電池を使いながらも常時充電状態にしてしまっています。

そんな、なんとなくのんびりとした雰囲気のエコ製品です。

そして山へ。

USBパワーアダプター
会社から携帯電話を持たせられ、山歩きをする時にもとりあえず持って行ってます。しかし電池を気にして必要な時にしか電源を入れません。で、USBパワーアダプターというものが出ているけど…これがまた見かけによらず高いなぁ。しかしなんとなく面白さを感じて買ってしまいました。山で使ってみる事にしよう。

2004年7月21日~25日、4泊5日の八ヶ岳です。

第1日

電車で茅野へ。そしてピラタスロープウエイを上がり、縞枯山荘泊。
携帯は前日にフル充電。solargearは前日に途中まで充電という状態。電車内では窓際にsolargearを置いてましたがフル充電には至りませんでした。山荘に到着してから雨池へ。天気は曇天。それでもとりあえず発電のインジケーターは点灯します。しかし樹林帯に入ると発電は不可能な状態。その後晴天となり、しばらく直射日光下で充電。しかしフル充電にはなりませんでした。
日没後、小屋の中で携帯電話に充電。しばらく充電していると、単三電池の容量が少ない為か、間欠的にしか充電できない状態になりました(携帯電話の充電インジケーターが数秒間隔で点滅する)。solargearの充電状況のインジケーターは点灯しなくなりました。
とりあえず携帯電話は使える状態です。しかし圏外なので電源OFFして就寝。

第2日

気持ちのいい晴天。この日は黒百合平まで。
朝7時半頃に出発。ザック横にsolargearを装着します。携帯電話をベルトに固定するようなホルダーをザックに装着し、そこにsolargearの本体を入れ、太陽電池部分は外に向くようにします。特に太陽の方向等は意識しませんでした。しかし真夏にこの時間なら、直射日光が当たらなくても、しかも樹林帯の中でも発電してくれているようです。休憩時には太陽電池パネルを太陽に向けて積極的に発電させます。約3時間後、白駒池に到着した頃には満充電状態になりました。
電波状況の良い場所ではi-modeにて会社のメールをチェック。なんだか安心して携帯電話を使うことができます。14時過ぎに黒百合平に到着し、solargearから携帯電話に充電開始。圏外なので携帯電話は電源OFF。しばらくして携帯電話の充電インジケーターは消灯。これがフルチャージを意味するのか、はたまたsolargearの電力不足なのかは不明だけど、とりあえず充電はおしまい。その後日没までの日照下にsolargear を置いておくと、再び満充電状態にまでなりました。ということで日没後に再度携帯電話に充電。

第3日

これまた晴天。稜線を歩いて赤岳天望荘へ。
朝7時過ぎに出発。多少のガスが上がってくるものの天気は良好。快調に充電してくれているようです。これだけの晴天だと、太陽電池パネルを太陽光の正反対に向けた状態でも発電できるようです。10時過ぎには満充電になりました。昼にi-modeを使用し、空き時間に携帯へ充電。15時過ぎに小屋着。太陽電池で発電しながら携帯に充電。携帯電話への充電が停止した後、日没まで太陽光で充電。満充電にはなりませんでした。

第4日

天気いいぞ。暑いぞ。青年小屋へ。
いつものようにのんびりと出発。赤岳山頂でのんびりして、急斜面を降ります。時折雲が上がって直射日光を遮ってくれるのが、人間にとってはうれしいです。この日も昼前には満充電状態となりました。
今回の山行も終わりに近くなり、さらに各機器の挙動もだいたいわかってきたので、途中で携帯電話への充電とかはしませんでした。「問題なく使える」、それだけです。
小屋に到着。圏外なので携帯の電源を切り、solargearから充電。あと1日は充分大丈夫でしょう。

第5日

この日は下山日。家に帰るまで携帯が持ってくれれば充分なので、solargearはザックの中へ。出発前に携帯の電源を入れ、あとは自宅到着まで携帯の電池だけで大丈夫です。

で、結局…

単純に容量だけ計算すると、私が使っていた携帯電話のバッテリーは3.7V 680mAh、対してsolargearは1.2V 2000mAhが2本。容量的にはsolargear のほうが上です。しかしUSBパワーアダプターによる昇圧の効率、その出力電圧と携帯電話の充電回路の関係から、満充電のsolargea内バッテリーから、完全に使い切った状態の携帯電話のバッテリ-を満充電できるのかどうかは不明です。しかし少なくとも今回の山での挙動では、携帯電話に充電できない状況になった単三型電池を数時間で満充電状態にできるという状況でした。とりあえずスペックでは1600mAhの電池で満充電まで14時間なので、今回いずれも数時間で満充電になったという事は、「solargear内の電池が完全に空っぽでない状態」だったものと思われます。さらに、「solargear内の電池をある程度使った状態では、携帯電話に充電できない状態になる」という事でしょう。(ただし、もちろんsolargear内電池の残容量と携帯電話のバッテリーの残容量によっては、solargearによって携帯電話を満充電にすることは可能なようです)。
実際に単三型電池が満充電状態になったとして、その容量をどれだけ携帯電話の充電に活かせるのか、数値的なデータが無く、ちょっと中途半端な雰囲気ですが、少なくとも言えることは「4泊5日の山歩きにおいて、夜間以外は電源ONの状態で携帯電話を普通に使い続けることができた」という事です(長時間の通話等による大きな電力消費があった場合にはこの限りではないという事は言うまでもありません)。

さてここで、この結果をどういう結論にするか…。単三乾電池から携帯電話に充電するという機器はコンビニでも売られています。これと何本かの乾電池があれば、今回くらいの山歩きには充分に対応できそうです。そこをあえて太陽電池で…という事にはどのような意味があるか。あえてリストアップしてみれば…

  • 太陽さえ出ていれば充電できるという安心感(結構大きいかも)。
  • エコロジー的な観点。少なくとも今回の山歩きの後、乾電池のゴミは出さなかった。
  • 面白さ。

ってとこでしょうか。

携帯電話以外の用途となると、登山にて電池を使うものの代表としてはヘッドランプでしょう。特にキャンプでは長時間使うので便利かもしれませんが、万一悪天候で充電できないという事を考えると、必須なギアであるヘッドランプのエネルギーを太陽電池に頼るというのは安心できないでしょう。

このくらいのサイズで、さらなる高効率の太陽電池セル、高容量のバッテリーになれば、もっと頼もしい存在になるのではないかと思います。

その後の余談

2005年夏、同じように八ヶ岳に行きました。しかしうまく充電できない。いろいろ確認したところ、どうやらUSB充電ケーブルが途中で断線しているようでした。使っていたケーブルは途中にリールがあるタイプで、持ち運びには便利なものです。しかしそれだけケーブルが細くなっています。ケーブルに局所的な力が加わらないようにするためにコネクタにはそれなりのブッシュがあるのが普通ですが、このケーブルはブッシュが非常に固く、意味がありません。結果としてコネクタ直前に強い力がかかり、断線に至ったようです。
なんとかそれを山で修理しました。幸い携帯電話側のコネクタが簡単に分解できたので、ケーブルを途中で切断し、手びねりで接続し、テーピング用テープで絶縁して応急処置完了。ついでにUSB側もテーピング用テープで補強。これで4泊5日、電話をしながらフル充電状態でした。
violettaの話題ではありませんが、USB充電ケーブルを選ぶ時の参考まで。

使用していたケーブルを修理したもの。ケーブルの太さにくらべてブッシュが大きすぎ固いため、ブッシュの意味が無くなっている。 なんとか修理できた。

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