買っちゃったReport

POWERBANK

最終更新日 2014年05月10日 (コトあるごとに更新中)

購入したものを素直にレポートするシリーズ。
よくわからない中国製のモバイルバッテリー、POWERBANKです。

はじめに

登山の時の各種バッテリー容量確保のために大容量のモバイルバッテリーを買っておこうかなぁ…なんて思いながらアキバを歩いていて、千石通商で見つけました。いかにも中国製というようなパッケージ、12000mAh、スマホ充電4回分という表示スペック、そして3000円という価格につられてほとんど衝動買い。

1st Impression

型番とかも特に無く、入ってた取扱説明書のイラストも他の機種のもの…いかにも中国製の安物という雰囲気の、実際に中国製の安物です。



機能としては、充電入力はMicro-USB端子、出力はUSB-A端子が2個あり、それぞれ2.1A、1Aの出力容量があります。他に白色のLEDライトを搭載。これは不要。
インジケーターとしてはLCD表示があり、バッテリー容量をパーセンテージで1%単位で表示してくれます。山の中で太陽電池での充電も考えていた上で、他のモバルバッテリーではLEDで3〜4段階表示が多い中、1%単位の表示というのはなかなか嬉しいです。
もしこれでスペック通り、スマホを4回充電できる能力があるならば、これは良い商品と言えるでしょう。

ちなみに同じ名称でLCD表示ではない商品もあるようですが、おそらくスペックは同じなのではないかと思われます。

その実力は?

まずはそのパーセンテージの表示が実際どうか…というテスト。
フルチャージ後、負荷として約430mA位流れるLEDを接続し、5分間隔で容量表示がどのように減って行くか確認しました。

すみません、グラフが途中抜けているのは居眠りをしてしまったからです。
しかし言える事は、決してリニアではないという事。概ね30%以下になるとストンと落ちます。どうやらバッテリーの放電時の電圧変化の特性を考慮しているのではなく、単純にバッテリーの電圧をリニアにパーセンテージに変換しているように見えます。例えば50%という表示の場合でも、残っている容量は50%なのではなく1/3〜1/4ほどと思ったほうがいいという事です。
そして370分後にゼロになり、出力は無くなりました。
5V、430mAとして、出力された電力は約13.3Whということになります。

次に、もう少し大きな負荷で、どのくらい出力されるかテスト。
負荷として約5Ωの抵抗を接続し、出力が切れるまでの時間を計りました。電流は約910mA。
結果として、約167分で切れました。出力された電力は約12.6Whということになります。

スペックが12000mAhなので、これが3.7Vとして単純計算すると44.4Wh。その7割取り出せれば上等かと思っていたらなんと1/3以下でした

ちなみに比較として、サンヨーの eneloop KBC-L54D で同じ条件で計測してみました。すると切れるまで約200分。出力された電力は約15.2Wh。容量としては5400mAhなので3.7Vとすれば約20.0Wh。つまり76%を取り出せたことになります。さすがサンヨー。
ということで、POWEBANKには eneloop KBC-L54D の倍以上の内蔵バッテリー容量がありながら、そこから供給できる電力は eneloop KBC-L54D よりも少ない、という事です。

さて、こうなってくると12000mAhというスペックがウソなのか、それとも単に効率が悪いのか、どちらかという事になります。ということで中を見てみました。



するとバッテリーとしては18650が4本パラ。バッテリー自体は無印でしたが、18650は2500〜3000mAh位が多いと思われるので、もし3000mAhだとすれば決してウソではないという事になります。ということは、3.7Vから5Vに変換する回路の効率がものすごく悪い、という事でしょう。「スマホ4回分」「12000mAh」とは、あくまでもそれだけの電力を内部に保持できるという事であり、それだけの電力をスマホ等に充電することはできません。

いろいろ検索してみると、この12000mAhというスペックと価格からか、絶賛するような記事が結構ありますが、だまされてはいけません。効率の良い国産品を買いましょう。

結論。
ずばり、ダメ。



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