買っちゃったReport

KEYSTATION 49e

最終更新日 2008年 9月 21日 (日)(コトあるごとに更新中)

はじめに

Appleが GarageBand を発表した時、同時にこのMIDIコントローラーキーボードも発表されました。
49鍵のシンプルで安価なキーボードです。でも、ずいぶんとコントローラーが少なくないか、というわけで、 EDIROL の PCR-30 を購入しました。
しかしキーボードを使っていると、本格的に両手での演奏を練習したくなります。 PCR-30 は32鍵。両手での演奏にはちょっと足りない。ってことで昔に購入した YAMAHA のシンセサイザー DX-100 を引っ張りだして練習。でも DX-100 のミニサイズキーボードは練習にはちょっと不向き。 DX-100 と同等の49鍵のフルサイズキーボードが欲しい…。でも、一般向けのキーボードはなぜかデカいし、かと言って電子ピアノを買うほどの気合いも無い。というわけで、シンプルな49鍵の M-AUDIO KEYSTATION 49e を AppleStore (オンライン)で衝動買いです。

1st Impression

USBで直結、ドライバーも不要、おまけにバスパワーで電源も不要。ってことで、接続し、 GarageBand を起動させ…あっさりと音が出ました。実に簡単です。
全84ページのマニュアルが付属していますが、中身は6ヶ国語なので、実質的なマニュアルはかなり薄いです。

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本体にはピッチベンドとモジュレーションホイール、ボリューム、オクターブ+/ーボタン、そして ADVANCED FUNCTIONS というボタンがあります。この ADVANCED FUNCTIONS で、いろいろできるようです。で、できることは以下のとおり。

  • オクターブ+/ーボタンを、トランスポーズ+/ー、出力チャンネル選択、プログラムチェンジにアサイン可能。
  • モジュレーションホイールとボリュームスライダーは、各種MIDIエフェクトにアサイン可能(パンとかボリュームとか)。
  • MIDI出力端子を、USB-MIDI変換機として使用可能(ただしあくまでもMIDI出力のみ)。

主な機能はこんなところでしょう。
標準では、ボリュームスライダーを動かすと GarageBand のトラック音量が変化します。モジュレーション、ピッチベンドとも、 GarageBand は受け付けてくれます。

本体にはMIDI出力があるので、PCが無くても音源モジュールがあればMIDIで接続して音が鳴らせます。その場合はACアダプターが必要ですが、付属してません。

2nd Impression

このキーボードの特長のひとつに、キーベロシティーセンシティブということがあります。 PCR-30 に比べるとかなり「軽く」なっているようで、同じ強さでも大きな音(大きなデータ)が出るようです。

が、なんだか「G2」のキーだけ、やたらとでかい音がするぞ。

いや、それだけでない。なんだかベロシティー感度にずいぶんとばらつきがあるような気がする…。

安かろう、悪かろうなのか?

5個のキーを均等に同時に押す

気になって、ベロシティーについて調べてみました。
白鍵5個分の幅のある箱を使って、5個の白鍵を同時に押します。これでほぼ同じ強さで5個のキーが押されます。これを GarageBand で「録音」し、ベロシティーの値を調べます。3回弾いて平均をとってみました。

キー

1回目 2回目 3回目 平均
C1 88 82 85 85.00
D1 89 84 87 86.67
E1 96 91 96 94.33
F1 85 79 84 82.67
G1 84 78 83 81.67
A1 94 95 102 97.00
B1 95 96 103 98.00
C2 83 87 95 88.33
D2 70 76 87 77.67
E2 83 87 93 87.67
F2 43 97 75 71.67
G2 105 127 114 115.33
A2 25 78 54 52.33
B2 37 94 70 67.00
C3 24 79 55 52.67
D3 71 77 70 72.67
E3 73 82 72 75.67
F3 69 78 68 71.67
G3 57 68 56 60.33
A3 37 52 37 42.00
B3 97 87 84 89.33
C4 105 97 94 98.67
D4 105 98 90 97.67
E4 87 72 59 72.67
F4 107 99 91 99.00
G4 113 98 109 106.67
A4 113 101 112 108.67
B4 86 67 84 79.00
C5 85 63 80 76.00

色分けした5個ずつ(G4〜C4は4個)のキーを同時に押しているので、その中ではベロシティーがそろっていてほしいとは思うのですが、結構ばらついてます。G2が突出しているのは不良だよなぁ。実際弾いていて違和感を感じます。

参考として、同じように PCR-30 も確認してみました。

キー 1回目 2回目 3回目 平均

F2

26 48 62 45.33
G2 26 48 62 45.33
A2 26 46 62 44.67
B2 23 41 53 39.00
C3 24 41 53 39.33
D3 46 41 45 44.00
E3 48 41 45 44.67
F3 41 34 37 37.33
G3 52 41 45 46.00
A3 56 46 52 51.33
B3 48 46 48 47.33
C4 53 52 53 52.67
D4 48 52 56 52.00
E4 46 48 46 46.67
F4 41 46 45 44.00
G4 48 62 56 55.33
A4 41 72 53 55.33
B4 41 62 53 52.00
C5 41 59 53 51.00

うーん、KEYSTATION 49e に比較すると、ばらつきはなかり抑えられているではないか。

このデータを見る限りにおいては、あまり言いたくは無いが、「安かろう、悪かろう」と言えなくもない、というのが印象です。繊細なキータッチを音の強弱としてきちんと再現してほしい、と思うのであれば、上記2機種の比較で言えば間違いなく EDIROL PCR-30 に軍配が上がるでしょう。

3rd Impression

軽い。
間違いは多いものの、なんとか簡単な曲なら演奏できるようになった。しかし強弱がつけにくい。フォルテの部分で強く弾いても、強くなりません。確認してみたら…よほど意識して軽く押さない限り、かなり大きなベロシティー値になってしまうようです。例えば上の表は全く同じではないものの、同じような強さで押したつもりです。しかしKEYSTATION 49eはPCR-30に比べると大きなベロシティーの値になっています。
そして実際に演奏してみると、これがすごく難しい。中くらいのベロシティーの値になるように演奏するのはほとんど無理でした。
実際にキーを押す強さとベロシティーの値がグラフにできれば面白いと思うのですが、KEYSTATION 49eはこれがかなり「急」のような感じです。つまり、弱いと音が出ない。ちょっと強く押すとあっという間に127(最大値)を出力してしまう、というように。
はっきり言って、KEYSTATION 49eにあるキーベロシティー対応の機能を期待しないほうがいいでしょう。

ちなみにPCR-30はかなり強くキーを押さないと127にはなりません。しかしキーベロシティーにオフセットを付加する機能があるので、弱く押しても強く押したことにしてほしい、という事に対応することができます。

うーん、PCR-80を買ってしまおうか。

コトあれば更新予定。


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