買っちゃったReport

Pocket WiFi D25HW

最終更新日 2011年08月08日 (コトあるごとに更新中)

購入したものを素直にレポートするシリーズ。
EMOBILEの"Pocket WiFI" D25HWです。

はじめに

これまではMacBookを外出先でネットに接続する時はWillcomの「DD」を使っていました。W-SIMのコンセプトはなかなか面白かったし、そしてWILLCOM CORE XGPにも期待をしていたのですが…どうも成功までのロードマップが見えないし、そしてEMOBILE, UQ WiMAX等の高速サービスも充実してきました。そして発売された、Pocket WiFi。これは便利そう。WILLCOMからの乗り換えを決断させてくれるだけの期待がもてる機器に思え、発売日に購入。
ちなみにWiMAXも検討しましたが、まだサービスエリアが不安だったという事もありEMOBILEに決定です。

1st Impression

長円形をした独特の形、結構薄め、いい感じの多きさです。横にボタンが3個。しかしあまり押しやすくはありません。コネクタはUSBのみ。充電兼通信。他にmicroSDスロットがありますが、自分はこれは使う事はほとんど無いかな。
パッケージにはマニュアルの他に接続するまでを簡単に説明したリーフレットが付属し、基本的にこれを見るだけでインターネットに接続できるようになっています。必要なのは本体、SIM、バッテリー、そしてWEPキーが書かれた紙。しかしこの紙が無い。探したらマニュアルに貼付けられてました。どうやら初期登録時に担当の方が貼付けたようです。さらにSIMとバッテリーも本体にセットされていました。
電源を入れると起動し、基本的にこれだけで動作開始です。パソコンからD25HWのSSIDを探して接続、紙に書かれたWEPキーを入力すれば、これだけであっさりとインターネットに接続できてしまいました。非常に簡単です。

セキュリティーを

この「デフォルトでWEP、WEPキーを入力するだけで即接続」という簡単さは、おそらくDSiで使用する事を考慮したものでしょう。パソコンで設定変更することなく接続できます。
しかしDSiは使わないし、このままではセキュリティーが不安。ということでセキュリティー関連の設定変更。まずWEPからWPA2へ。ちなみに暗号化はWEP, WPA-PSK, WPA-PSK2から選択できますが、WEPとWPA-PSK/2との同時使用は不可能です。DSi等、WEPしかサポートされていないクライアントを接続するとなると、同時に接続する機器もWEPで接続することになります。
さらにMACアドレスフィルタリング。MACアドレスは10個登録でき、登録した機器からアクセスを許可するか拒否するかを設定します。もちろん自分の機器のMACアドレスを登録し、「許可」を選択します。
さらにSSIDも変更。現在のままではD25HWであることがSSIDを見ただけでわかってしまいます。だから何だという事ではないですが、少しでもアタックされにくくするべきでしょう。

このあたりの処置は、運用開始直後にぜひやっておくべき項目でしょう。

バッテリーと電源と充電の関係

電源はUSB端子から給電ですが、「専用のACアダプターを接続している時は3G接続中でも充電、それ以外のUSB端子に接続した場合には、3Gに接続していない時は充電、接続している時は給電のみ」です。付属のACアダプターは5V650mA、3G接続しながら充電するには通常のUSBの規格である500mAを越えるのでしょう。
3G接続時でバッテリーの使用時間は公称4時間。しかしこの機器、例えば宿泊先など、電源環境は困らないというシチュエーションでも使われることでしょう。そんな環境下ではバッテリー残量を気にせず使いたいものです。では普通のUSB端子に接続して「給電」しながら使えば常時使えるのかな…と思ったら甘かった! USB端子に接続した状態でも、3Gに接続した状態だとバッテリーが使われるようで、この状態でもバッテリーの減りはUSB端子に接続しない時と変わりませんでした。
付属の専用ACアダプターを使えばいいわけですが、現在は1000mA程度を出力できるUSB端子出力のACアダプターは沢山あります。このような余裕のある電源を接続しても、3G接続中は充電されません。

ってことでググってみると、どうやらモトローラー製携帯電話へ充電できるものであれば大丈夫らしい(USBのdata端子をショートする?)。ということでモトローラー製の携帯電話に充電するためのアダプターである、モバイルライフ社の「UCC-05M」を購入、それを接続したら、普通のUSB端子出力ACアダプターにて、3G接続しながら充電することができました。
また、自作したDC5V-USBコネクタ基板に接続、USBのdata端子をショートしたところ、これでも3G接続しながら充電ができました。
ちなみにその時の電流を計ってみましたが、最大800mAほど流れました。付属のACアダプターは650mAなので、1000mAクラスのUSB電源アダプターを使ったほうが早く充電できるのかもしれません(未確認)。

UCC-05M。これを経由すれば3G接続中でも充電できる。 自作DC5V-USBアダプタ基板で、3G接続しながら充電できるようにしてみた。

注:現在のバージョンでは、通常のUSBケーブルを使用しても3G接続中に充電ができるようになりました。

VPNは?? モデムとしての使用は??

そして気になったのはVPN。Pocket WiFiはあくまでもルーターなので、VPNが通るかどうか不安でした。発表時のマスコミの記事には「VPNパススルー」の記載がありましたが、マニュアルにも設定画面にもVPNに関する記載はありません。とりあえずPPTPで接続したいのだけど、ポートマッピングの設定にて、プロトコルの指定がTCPとUDPしか無く、GREがありません。こりゃだめなのかな…と思いましたが、あっさりとPPTPで接続できました。VPNパススルーは特に設定はなく、デフォルトで有効のようです。
ただしPPTP以外は確認していません。

同時に、ルーターを経由せず、USBで接続してモデムとして使用できるかどうかの確認もしてみました(ルーター部分をVPNが通らなければモデムとして使うしか無いです。ちなみにここで言う「モデムとして」とは、単にWiFiを経由せずという事ではなく、ルーターを経由せず、PCにグローバルアドレスが設定された状態で使用する、という事を意味します)。
結論から言えばダメなようです。Macではモデムとして認識はされるようですが、いろいろ設定してみても接続できませんでした。ということでルーターを経由せずに接続することはできないようです。

自動OFFについて

WiFiおよび3Gは、一定時間接続が無いと自動的にOFFになる機能があります。
ここで3Gは充分理解できます。消費電力の大きな3G接続を自動的にOFFにするという事はあって当然でしょう。接続モードをAUTOにしておけば、必要な時に自動的に再接続されるので問題ありません。同様にWiFiも自動OFFの機能があります。

3G, WiFiとも断の状態でのバッテリーライフは100時間らしいですが…最近の携帯電話でも連続待ち受け100時間なんて短いでしょう。このD25HWは「待ち受け」をするわけでもないのに100時間というのはずいぶん短いです。

であれば、WiFiが自動OFFだけでなく、自動電源OFFが欲しいです。WiFiがOFFになったら、再接続するには手動でWiFiをONにする必要があります。立ち上がりの時間の差こそありますが、自動電源OFFになったとしても再接続する時には手動でONにする必要があるという手間は変わりません。少しでも消費電力を減らすため、そしてそのための「手動電源OFF」の手間を無くすためにも、自動電源OFFはあるべきでしょう。

ベンチマーク

ということでベンチマーク。フル充電後、どのくらい連続稼働できるか確認してみました。
D25HWを家に置き、WiFiにはchumbyを接続します。chumbyはインターネットラジオを再生させます。これで常時3Gからダウンロードを続けることになります。アンテナは概ね3本、時々2本という環境です。時々(数十分間隔で)状況確認のためにEL表示をONにしました。

結論から先に言えば、カタログスペックである4時間はクリアしました。バッテリー残量の表示は結構早めに減るようで、2時間経過後で残量表示が1個という状況、ホントに4時間使えるのか…と疑われましたが、4時間ちょっと前に「Low Battery」が表示されました。バッテリー残量が少ない時にELディスプレイを表示し続けるというのもどうかと思いますが、これ以外に人間に情報を伝える方法は無いので仕方ないでしょう。その後はずっとEL表示が続き、そして4時間27分後、電源が切れました。

ということで、「4時間」というカタログスペックは充分でしょう。むしろLow Batteryが表示されてから30分弱も稼働した粘りはなかなかなものです。

同様にして、純正以外のACアダプターを接続した状態で確認してみました。3G接続している時は充電されませんが「給電」はされるとの事ですが… しかしこの時でも4時間弱で「Low Battery」が表示され、その後しばらくして電源が切れました。3G接続を続けている時に通常のUSB端子(もしくは非純正のAC-USB電源アダプター)から給電したところで、バッテリーライフ的にはほとんど意味は無いという事です。

注:現在のバージョンでは、通常のUSBケーブルで給電すれば3G接続中でも充電されるようになりました。

結局、買いか?

モバイル環境ではとても便利です。バッテリーライフや自動電源OFF等、若干の不満はありますが、どこでもWiFiが使えるという事は便利です。せめて3G接続時にUSB端子に接続している時は、充電はできなくてもUSB端子に接続していない時以上の稼働をしてもらいたいものです。
モバイルでなくても、例えば単身赴任とか、固定的に使うのもアリでしょう。年末年始に帰省した際にはWiFiを常時ONにした状態でACアダプタに接続して放置、家の中で自由にWiFi接続できてとても便利でした。
なかなかいい商品だと思います


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