買っちゃったReport

chumby

最終更新日 2010年02月19日 (コトあるごとに更新中)

購入したものを素直にレポートするシリーズ。
ウィジェットプレーヤーとでも言いましょうか、chumbyです。

はじめに

パソコンのデスクトップに表示させたりする小さなプログラムである「ウィジェット」と呼ばれるものがありますが、その概念が携帯電話にも進出、メインに動かすいわゆるアプリケーションとは別の立場としてひとつの地位を確立しつつあるのではないかという雰囲気です。そしてこのchumbyは、そんなウィジェットの再生に特化したガジェットと言えましょうか。PCや携帯というプラットフォームの中でウィジェットが動くのではなく、リアルな空間の中でガジェットが動くという雰囲気…そんなイメージを持ちました。これは面白そう。
そして、いわゆるハッキングを推奨するという事がまた面白さを倍増させてくれます。これはぜひ欲しい、ということで日本国内販売開始直後に購入しました。

せっかくハッキング推奨なので、このレポートはハードウエアの改造、バッテリーを搭載したという事も含めて書いてみました。

なお、本レポートはchumbyの使い方を説明するものではありません。

1st Impression

本体は可愛らしい麻袋に入って到着。早速中から本体を取り出すと…chumby最大の特徴でしょうか、フワフワです。とにかく可愛らしい。電源を入れるとオープニングアニメーションが流れ、chumbyがどんなものなのかを紹介してくれます。そしてパソコンからアカウントを作成、chumbyを無線LANに接続してアクティベーション、無事にchumbyがchumbyとして使えるようになりました。なにしろchumbyは無線LAN経由でインターネットに接続し、かつアクティベーションしないとただの時計としてしか動きません。このあたりちょっと敷居が高いかもしれませんが、いずれすべて日本語での説明を読みながらアクティベーションできるようになるのではないかと思います。

あとはパソコンでのブラウザから、お好みのウィジェットを追加していきます。chumby本体はウィジェットの実行に徹し、ウィジェットの設定はすべてパソコンから行うというところが、chumbyの思想を感じさせてくれて興味深いです。

バッテリー駆動は必要か…

買って、使ってみて分かった事は、chumbyの主要な使い方は「放置」という事です。チャンネルを選んだらあとは操作する事の無い普通のテレビと同じでしょうか。もちろんタッチパネルや加速度センサーを使ってインタラクティブに操作できるウィジェットもありますが、そのように人間が何かリクエストをするのを待つのではなく、人間が必要としているであろう情報(というかこれをあらかじめ設定するのは人間だけど)を次々に流す…というのが、chumbyらしいスタイルのようです。

ということで基本が「放置」であり、持ち歩いて使う事は想定していません。ACアダプタに接続し、常時電源ONのままウィジェットを流し続ける…それがchumbyなのでしょう。

chumbyには9V電池を接続するための電池スナップが用意されています。が、これも動作保証外。基本はACアダプタ駆動で、バッテリー駆動は想定外でしょう。そもそも普通のPCのように、chumby上で何かを作成するという事はありません。いきなり電源が切れたとしても問題なく、再起動もそれほど長時間を要すわけでもありません。

しかし…

電池スナップが用意されていて、そしてハッキング推奨ということであれば、ここに電池を接続したくなるのが普通(?)でしょう。ということで普通の9V電池を接続すると…保証外とはいえ全く問題なく動きます。ただ駆動時間は非常に短いので実用的ではないでしょうけど。

あえてバッテリーを搭載

ということでバッテリーで駆動させることはあまり意味が無いでしょう。でもなんとなく9VのNi-MHバッテリーを購入してしまいました。せっかく買ったのだからこれをchumbyに入れよう。

購入したのは GP Batteries の GP20R8H というものです。公称8.4V、200mAh。まずはこれをフルチャージして使ってみたところ38分ほど動きました。10分動けばいいかと思っていただけに、これだけ動いたという事が意外です。まぁ中途半端な時間ではありますが、それでも「ACアダプタを抜いてもある程度は動き続ける」という事が不要であっても、あえて通常以外の方法で使うという事は、ある意味chumbyの正しい「使い方」なのではないでしょうか…。

しかし…充電してくれるわけではないようです。回路図を確認すると充電回路は全く無し。しかし9Vのバッテリーの充電器持ってないぞ。ということでchumbyに充電回路を搭載してしまおう。これもある意味、chumbyの正しい「使い方」なのではないでしょうか…。

充電回路を搭載させる

ソースも回路図も公開というオープンな姿勢とは裏腹に、chumbyはその中を開けるのはとても面倒な構造となっています。バッテリーだけであれば底面のベルクロから簡単にアクセスできますが、完全に中を開けるとすると、フロントパネル周辺の接着部をはがす必要があります。それほど強力に接着されているというわけではないですが、それでも接着は接着。はがすのにはちょっと勇気がいります。が、思い切って決行。
外装を壊さぬよう注意しながら、少しずつはがしていきます。全周をはがし終えるとディスプレイは簡単に筐体…というか外装というか「外皮」というか…から出てきました。

慎重に接着をはがす 無事、ディスプレイが外れた

本体の基板はディスプレイ部に取り付けられ、後面にある電源・USB関連の基板とはフラットケーブルで接続されています。さらにそれと別にWi-Fiのアンテナ基板がありました。そしてそれらを包むように、フワフワの化繊の綿が詰め込まれています。
これらを取り出し、後面のユニットの取り付けネジを外して取り外します。さらにバラして後面の基板を取り外します。

充電回路は予めブレッドボードで検討。回路と言っても大袈裟なものではなく、緑色のLEDと電流制限用に定電流ダイオードを直列につないだだけです。定電流ダイオードは15mAのものを4本パラに接続しました。これをDC入力の+端子からバッテリーの+端子に電流が流れるように取り付けます。このままだとDC入力の電圧が高いほどバッテリーに沢山の電流が流れてしまいますが、ここは「12Vを接続する」という自己ルールを設定するだけにしました。LEDはバッテリーにかかる電圧を落とすために入れてます。これは手持ちのLEDの中からカットアンドトライで適当に選択しました。これで、バッテリーがEMPTY状態で約20mA流れます。充電完了時にはバッテリーは10.5Vにまでなるようですが、その位の電圧になれば電流はほとんど流れなくなります。
突っ込みどころある回路ですが別に完璧を求めるわけじゃないのでこれで良しとしましょう。chumby本体で充電され、ACアダプターが抜ければバッテリー駆動になる、そうなればOKです。

これをユニバーサル基板にマウントし、それをchumbyの基板に両面テープで貼付けました。

元のとおりに組み立てます。ディスプレー周辺の接着部は、よほど本体を揉んだりしない限り接着しなくても大丈夫でしょう。結局、ニチバンの普通の両面テープで軽く固定。これで充分です。

充電していると電源コネクタの隙間からLEDが点灯している様子が見えます。しばらく放置してからバッテリー駆動すると30分ほど動作しました。
バッテリー周辺にはビーズの入った袋があり、バッテリー装着時にはこれを取り外すように書かれてます。しかし9Vの電池程度であればこのビーズを入れたままでも大丈夫でしょう。逆に言えばビーズを外せばもっとバッテリーを装着できそうです。2個パラで1時間駆動とかも簡単でしょう。

バッテリー駆動の意味

という事で無事に、短時間であれば電源ケーブルを外しても動き続けるchumbyになりました。
前述したとおりchumbyはバッテリー駆動させる意味はあまりありません。でも、人気のウィジェット、chumbylandではちょっと便利でした。画面をデザインしたり等、微妙な操作をする時は使いやすい持ち方で使うのが一番です。そんな時に電源ケーブルを外しても大丈夫、というのはなかなか便利でした。

しかし結局…

バッテリーで駆動できるようになったとはいえ、なんだか「30分」というのは、たとえその意味があまり無いとしてもちょっと寂しいです。ということで…

9Vサイズのバッテリーを2本「内蔵」させました。左右のスピーカーの上に粘着材付きのマジックテープで固定しました。バッテリー出力は別に用意した電池スナップに接続し、chumbyの電池スナップと接続するとバッテリー駆動できます。
これで本体のみで1時間ほどバッテリー駆動できるようになりました。

このくらいの時間駆動してくれると、少しは実用的になります。
先日、仲間とレストランで食事をした時、「chumbyを見たい」というリクエストに応え、健気にウィジェットを見せてくれるchumbyをテーブルに置いて食事を楽しむことができました。


言うまでもありませんが、本体の中を開けたり改造することにより保証が無効になる可能性があります。また、この改造が原因でなんらかの不具合が発生する可能性も否定できません。そのような点を含め、もし本コンテンツを参考にされる場合はすべて自己責任にてお願いします。筆者は一切の責任を持ちません。

 


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